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発行日 :平成30年 1月
発行NO:No40
発行 :溝上法律特許事務所
弁護士・弁理士 溝上哲也
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【2】論説~近年の商標の判例について(その2)~
平成25年1月1日以降、原則として月に1回、裁判所のホームページを閲覧し、審決取消訴訟を中心に、商標の直近の判例をフォローアップし、その中から関心を引いた判決を1件選び、要旨を短くまとめておく取り組みを続けてきました。
業務が立て込んで忙しいときは、判例を読むこと自体ができない月もありましたが、幸いにしてこの取り組みが2ヶ月以上連続して中断したことはなく、約5年分の成果物が蓄積されました。
そこで、事務所報第39号より、上記成果物を「近年の商標の判例について」と題してシリーズでご紹介させて頂いております。
2回目となる今回は、平成25年10月~平成26年7月の判例の中から下記5件を選びました。商標の実務をされている方の一助になることがありましたら幸いです。
1)H25.10.10 知財高裁 平成25(行ケ)10126 商標審決取消請求事件
「きょロッケ」の文字を要部とする本件商標と「ギョロッケ」及び「魚ロッケ」の文字を上下に二段書きしてなる引用商標は類似しないとして無効審判の請求を棄却した審決が維持された事例。
称呼上の類否が争点となったが、語頭音である「きょ」と「ぎょ」の清音と濁音の差異は、称呼上、比較的容易に認識できるものであると判断された。
2)H26.1.29 知財高裁 平成25(行ケ)10090 商標審決取消請求事件
使用商標「DEROS JAPAN」と登録商標「デーロス」との間には社会通念上の同一性が認められないとして不使用取消審判の請求を認容した審決が取り消された事例。
「JAPAN」を付加することによって取引者・需要者に別異の観念を抱かせるものでない上、長音化したもの(デーロス)とそうでないもの(デロス)は、外観上の差異がわずかで、いずれも特定の観念を抱かせず、その称呼の差異によって別個の観念は生じないとの理由から、社会通念上の同一性が認められた。
3)H26.3.13 知財高裁 平成25(行ケ)10226 商標審決取消請求事件
本件商標の登録を無効とした審決が、いわゆる一事不再理に反することを理由として取り消された事例。 前審判と本件審判は、被告が使用する商標の周知性を裏付ける主張事実が殆ど同一であり、周知性を立証するための証拠も、その殆どが同一であると認定され、本件審判における商標法4条1項10号を理由とする無効審判請求は、同項10号には該当しないとした前審決の確定効に反するものとして許されないと判断された。
4)H26.5.14 知財高裁 平成25(行ケ)10341 商標登録取消決定取消請求事件
「オタク婚活」の文字よりなり、第45類「結婚又は交際を希望する者への異性の紹介」等の指定役務において登録された原告の登録商標について、商標法3条1項3号該当性を認め、登録異議の申立てによりその登録を取り消した特許庁の決定が維持された事例。
「オタク婚活」は、指定役務との関係では、いわゆるオタクと称される人たち向けの婚活の支援(情報の提供等)の意味合いをもって、当該役務の質、用途を表したものと認識されるにすぎないと判断された。
5)H26.7.17 知財高裁 平成26(行ケ)10036 商標審決取消請求事件
原・被告間で本件商標を譲渡対象に含む営業譲渡契約がなされていたが、特許庁への移転登録が未了であった事案において、商標権者もしくは通常使用権者による使用の事実が認められないとして不使用取消審判の請求を認容した審決が取り消された事例。 本件の事実関係に照らせば、本件営業譲渡契約は、本件商標が移転登録されるまでの間、少なくとも本件商標について通常使用権を許諾する旨の黙示の合意を含むものであったと認めるのが相当であるから、被告は本件商標の通常使用権者と認められると判断された。
以 上
(H29.12作成: 弁理士 山本 進)
→【1】論説:終活のための遺言書について~
→【3】論説:交通事故に遭った場合の初期対応について~
→【4】記事のコーナー:PCT規則の改正について~
→【5】記事のコーナー:事務所へのアクセスについて~
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