(1)
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グラフ1・グラフ2は、平成17年9月27日に開催された「産業構造審議会知的財産政策部会第5回意匠制度小委員会」において配付された「参考資料3」の2頁、及び同部会が平成18年2月にまとめた「意匠制度の在り方について」の7頁より引用。
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(2)
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他国における意匠権の存続期間の一例は下表の通り。上記「意匠制度の在り方について」の8頁より引用。
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(3)
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特許庁編「工業所有権法逐条解説」第16版第1045頁参照。
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他に商標法上の「役務」に該当しない例としては、ピザの宅配などの購入した商品の配送、ホテル業者によるバスの送迎などが挙げられる。これらは商品の販売又は役務の提供に付随して提供されるサービスであり、独立して対価を得て取引されるサービスではないからである。また、自社商品の広告や自社の社員に対する教育なども、商標法上の「役務」に該当しない。これらは他人のためにする便益又は労務ではないからである。
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(5)
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「シャディ」の文字を横書きしてなり、指定役務を第42類「多数の商品を掲載したカタログを不特定多数人に頒布し、家庭にいながら商品選択の機会を与えるサービス」として出願された商標の拒絶査定不服審判において、特許庁が商標法上の役務に該当しないとして請求を棄却したため、出願人がその特許庁の審決の取消を求めた事件(H12.8.29東京高裁平成11 年(行ケ)390 号 商標審決取消請求事件)である。東京高裁は、『商品の譲渡に伴い、付随的に行われるサービスは、それが、それ自体のみに着目すれば、他人のためにする労務又は便益に当たるとしても、市場において独立した取引の対象となっていると認められない限り、商標法にいう「役務」には該当しないものと解するのが相当である。』と判示し、原告の請求を棄却している。
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(6)
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「ESPRIT」の欧文字を横書きしてなり、指定役務を第35類「化粧品・香水類・石けん類・トイレ用品・めがねフレーム・サングラス・日覆い・宝玉・時計・紙類・紙製品・印刷物・刊行物・書籍・ノートブック・スケジュール帳・住所録・筆記製図用具及びその製品・文房具・キャリングケース・かばん・旅行かばん・かさ・ハンドバッグ・がま口・ベルト・財布・家具・額縁・家庭用小物及び容器・ガラス器・皿・カップ・マグカップ・椀・鉢・石けん入れ・灰皿・くし・スポンジ・歯ブラシを含むブラシ類(絵筆を除く)・ヘアブラシ・メーキャップ用ブラシ・陶磁器製家庭用品・テーブルクロス・ベッドカバー・敷布及び枕カバーを含む寝具類・タオル・ふきん・布製家庭用品・履物及びかぶり物を含む男性用及び女性用及び子供用被服・ゲーム・おもちゃに関連する小売り」として出願された商標の拒絶査定不服審判において、特許庁が商標法上の役務に該当しないとして請求を棄却したため、出願人がその特許庁の審決の取消を求めた事件(H13.1.31東京高裁平成12 年(行ケ)105 号 商標審決取消請求事件)である。東京高裁は、「商品本体の価格とは別に対価が支払われることのないものである以上、サービス自体が独立して取引の対象となっているものとはいえない。」として、「小売において提供される原告主張のような付随サービスは、独立して市場において取引の対象となり得るものではないというべきである。」と判示して、原告の請求を棄却している。
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(7)
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例えば、カタログやインターネットによる通信販売などでは多様な商品の品揃えが便宜性の高いシステムを通じて提供されている。また、コンビニエンスストアにおいては独自の流通システムが構築され、消費者の生活に近い場所で多様な商品の品揃えが提供されている。商標に化体した事業者の信用を保護するとの商標法の目的からは、多様な商品を取り扱う小売業の商標を個別の商品の譲渡として位置づけ、複数の商品商標によってしか保護しないことは適切でないと考えられる。なぜなら、これらの小売業者が市場において競業関係に立つのは、特定の商品を生産するメーカーやその販売業者ではなく、同様の業態で多様な商品を提供する他の小売業者であり、これらの小売業者の信用を保護するという観点からは、様々な商品の選別、品揃え等を提供すること自体を「役務」として保護することが必要と考えられるからである。
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(8)
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産業構造審議会の知的財産政策部会が平成18年2月にまとめた「商標制度の在り方について」の11〜13頁を参照。
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