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【3】記事のコーナー〜平成16年4月施行の特許関係料金の改定について〜
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平成15年改正特許法により、平成16年4月1日から次のとおり、料金の改定や減免措置が実施されます。その概要は以下のとおりです。
(1)特許関係料金の改定(平成十六年四月一日から施行)
【概要】
出願手数料と、特許料(1〜9年分)が引き下げられ、審査請求手数料が引き上げられます。
【現行 (特許印紙代)】
出願手数料
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21,000円
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審査請求手数料
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84,300円+2,000円×請求項数
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特許料 1〜3年
4〜6年
7〜9年
10〜25年
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(1年につき)13,000円+1,100円×請求項数
(1年につき)20,300円+1,600円×請求項数
(1年につき)40,600円+3,200円×請求項数
(1年につき)81,200円+6,400円×請求項数
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【改正(特許印紙代)】
出願手数料
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16,000円
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審査請求手数料
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168,600円+4,000円×請求項数
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特許料 1〜3年
4〜6年
7〜9年
10〜25年
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(1年につき)2,600円+200円×請求項数
(1年につき)8,100円+600円×請求項数
(1年につき)24,300円+1,900円×請求項数
(1年につき)81,200円+6,400円×請求項数
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(2)審査請求手数料の返還制度の導入(平成十六年四月一日から施行)
【概要】
拒絶理由の通知等があるまでの間に特許出願が放棄され、又は取下げられたときは、請求により出願審査の請求の手数料の一部を返還する制度が導入されます。
【現行】
審査請求の取下げは、審査請求自体が審査開始の条件に過ぎず、審査請求の手続自体が特許庁に係属するものではないこと、取下げを認めるとそれまでに行った審査が全く無駄になることとの理由により認められていません。
ただし、出願が特許庁に係属している間は、いつでも出願の放棄又は取下げを行うことができますから、審査請求後の特許出願の放棄又は取下げは可能です。
審査請求後に特許出願の放棄又は取下げを行ったときには、既に納付した審査請求手数料は返還されません。
【改正】
審査請求後に、出願人にとって権利取得の必要性がなくなった特許出願について、審査結果の最初の通知前に当該特許出願の放棄又は取下げがあった場合には、その後6月以内における審査請求手数料の納付者からの返還請求により、審査請求手数料のうちの一部を返還することができるようになります。
1,
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審査結果の最初の通知前
(1)同一発明・同日出願の複数出願に対する協議指令
(2)先行技術文献開示要件を満たさない場合の通知
(3)拒絶理由の通知(平成5年改正前の補正却下の決定の謄本の送達も含む)
(4)特許査定の謄本の送達
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2,
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返還請求が可能な者
審査請求手数料の返還請求が可能な者は、返還対象の手続を行った者です。例えば審査請求後の補正による請求項の増加等の返還対象手続が複数あった場合についても、それぞれの手続を行った者にそれぞれ政令で定める額の返還が行われます。また、「納付すべき出願審査の請求の手数料を納付した者」との規定により、返還請求が可能な者は、出願審査の請求の手数料を完納した者に限られます。
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3,
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返還額
具体的な額は特許法等関係手数料令で定められます。
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4,
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返還請求のできる期間
出願を放棄又は取り下げた日から6月以内です。
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(3)共有に係る特許権等の減免措置の見直し(平成十六年四月一日から施行)
【概要】
特許権又は特許を受ける権利等が特許法又は他の法令による特許料及び出願審査の請求の手数料等の軽減若しくは免除を受ける者を含む者の共有に係る場合であって持分の定めがあるときは、これらの者が自己の権利について納付すべき料金については、それぞれの減免後の金額にその持分の割合を乗じて得た額を合算して得た額とし、国以外の者がその額を納付することになります。
【概要】
試験研究に関する業務を行う独立行政法人及び公設試験研究機関の納付すべき特許料及び出願審査の請求の手数料について、軽減若しくは免除、又は猶予することができることになります。
【現行】
現行の減免措置は、減免を受けられる者が単独で出願や権利維持を行うことを想定しており、出願や権利の共有については、共有者の中に国等(国及び政令において指定さ れる独立行政法人)が含まれる場合にのみ、減免することが規定されています。これらは、国等の持ち分については納付する義務はありませんが、国等以外の者が減免を受けられる者であったとしても国等以外の者の持ち分に基づく納付額について減免されることはなく納付しなければならなくなっていました。
【改正】
特許料又は審査請求手数料の減免措置を受けることのできる者が共有者に含まれる場合、各共有者ごとに、単独出願の場合の納付額(減免対象者は減免後の納付額)に持ち分の割合を乗じ、その結果得られた各共有者ごとの負担額を合算した額を納付額とすることになります。ただし、第三者による審査請求の場合における審査請求手数料については、従来どおり減免措置の対象としないことにしています。
1,
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「国」については共有の場合についても国の持ち分についての納付義務がありません。
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2,
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「資力に乏しい者」及び「他の法令においてそれぞれの制度趣旨から規定されている減免措置を受けられる者」についても、これらの者が特許権を共有した場合、その持分に関して単独での特許権と同様の割合で減免措置が受けられることになりました。
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3,
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「国等」と「国等以外の者」の共有に係る特許権は、要件を満たす場合には単独出願の場合の納付額(減免対象者は減免後の納付額)持分の割合を乗じ、その結果得られた各共有者ごと負担額の合計額を納付しなければならず、算出された特許料として納付すべき額を「国以外の者」が納付することとなりました。
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4,
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審査請求手数料は、減免措置が適用される者との共有の場合、上記の減免措置が適用され、「国以外の者」が納付することとなります。
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5,
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補正により増加した請求分の審査請求手数料についても適用されます。
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以上
(H16.1作成 : 特許商標部 竹内 幹晴)
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