A 商標権消滅後の登録排除規定の廃止 商標権を早期に取得できるようにするため、商標権が消滅した日から1年を経過していない他人の商標又はこれに類似する商標の登録を認めないとする規定(改正前の4条1項13号)が削除されました。
B 期間徒過に対する救済手続の新設 外国語書面出願及び外国語特許出願の翻訳文の提出について、提出期間の徒過に正当な理由があるときは、一定の期間は翻訳文を提出することができるものとされ、特許料等の追納について、追納期間の徒過に正当な理由があるときは、一定の期間は特許料等の追納をすることができるものとされました。
A 再審の訴えにおける主張の制限 侵害訴訟の原告勝訴判決が確定した後に特許無効の審決が確定した場合でも、又は原告敗訴判決が確定した後に特許訂正審決が確定した場合でも、その審決の確定を再審事由として主張できないこととしました(特許法104条の4)。
なお、商標法の不使用取消審判の審決については、この規定の適用はありません。
B 審決の確定の範囲に関する規定の整備 改正前は、訂正審判請求について、全請求項を一体として請求しなければなりませんでしたが、請求項ごとに訂正が認められていた訂正請求と同様に、訂正審判請求も、請求項ごとに又は引用関係など政令で定める関係を有する「一群の請求項」ごとに行うことに改正されました(特許法126条3項、同134条の2第2項及び3項)。また、無効審判や訂正審判の審決の確定範囲も請求項ごと又は一群の請求項ごととなりました(特許法167条の2)。
なお、訂正審判請求または訂正請求ができる場合として、改正前の特許請求の範囲の減縮、誤記の訂正、明瞭でない記載の釈明に加えて、「請求項の記載を従属形式から独立形式に変更すること」が追加されました(特許法126条1項4号、同134条の2第1項4号)。
C 無効審判の確定審決の第三者効の廃止 これまでは、無効審判の確定審決については審判請求人以外の者でも同一の事実及び証拠に基づいて争うことが認められないとされていましたが、紛争処理の適正化のため、無効審判の確定審決の第三者効を廃止し、無効審判の確定審決について、同一の事実及び証拠に基づいて争えない者の範囲を、改正前の「何人も」から「当事者及び参加人」に狭められました(特許法167条)。無効審判の審決が確定しても当事者等以外の第三者は同一の事実及び同一の証拠に基づいて無効審判を請求することができるとされました。